2014-10-27・多崎つくる

発売からそれほど間もない頃に買ったものの、一年半近く積読（つんどく）しておいた村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を、昨日ようやく読み終えた。



村上春樹の長編はすべて読んでいて、中にも好きな作品はあるが、「色彩を持たない・・・」は、うーん、村上さんどうしちゃったの？、というのが正直な読中および読後およびの感想。



とくに気になったのがこれまでの村上春樹作品ではあまりない日本語の「荒れ」があちこちに見られたことだ。意図的なのかどうかは判らないが、書いたばかりで推敲ができていない草稿がそのまま出てしまったかのような印象を受けたところがいくつかあった。また、表現が難しいが、文章の「分解能」あるいは「粒度」が違うところもあった。



ストーリーについては村上春樹ワールドがちょっと悪い方向に出てしまったような感じする。無理に展開させようとしているような印象だった。



村上さん、もしかしてピークを過ぎてしまった？、なんていうことはないとは思うのだが・・・。



最近は視力が落ちてからなかなか本を読む気にならなくなったが、たまに読むのも面白い。それにしても電車の中はスマホばかりが並び本を開いている人はごくごく少数派になってしまった。

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