Home > 「遠野物語」@青空文庫

「遠野物語」@青空文庫

  • 2013.01.04 Friday 23:36
 2012年12月31日いっぱいを以って著作権が失効した12人の作家の作品が2013年1月1日に青空文庫で公開されました。



 そのなかで特筆すべきは柳田國男氏と吉川英治氏でしょうか(青空文庫が「柳田国男」と表記しているのは、同文庫が何回指摘されても改めようとしない過ちのひとつではないかと思いますが)。



 今日時点で公開されているのが、柳田國男の「遠野物語」と、吉川英治の「私本太平記(一)あしかが帖」および「私本太平記(二)婆娑羅帖」。



 いずれも新字・新仮名ですが、これらが無料で読めるようになったのは嬉しい限りです。



 「遠野物語」は、よく知られているように、佐々木鏡石さんという遠野在住の人の話(土地の伝承)を柳田國男氏が聞き書きでまとめたもので、民族学の起源のひとつにも数えられている重要な本です。「脚色されていない民話集」といった趣きも感じられます。



この話はすべて遠野の人佐々木鏡石君より聞きたり。昨明治四十二年の二月ごろより始めて夜分おりおり訪ね来たりこの話をせられしを筆記せしなり。鏡石君は話上手にはあらざれども誠実なる人なり。自分もまた一字一句をも加減せず感じたるままを書きたり。思うに遠野郷にはこの類の物語なお数百件あるならん。我々はより多くを聞かんことを切望す。国内の山村にして遠野よりさらに物深き所にはまた無数の山神山人の伝説あるべし。願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ。この書のごときは陳勝呉広のみ。




 ちなみに遠野の名物?になっている河童は第58話にちょっとだけ登場しますよ。




備考1:国立国会図書館のデジタルライブラリとざっと見比べた感じでは、青空文庫の「遠野物語」は間取り図の挿入位置が違っているような??



備考2:青空文庫の「遠野物語」の「○」は、実際は頭注として版組みされています。



備考3:ChainLP V0.40-13は、青空文庫の「遠野物語」のテキストファイルで使われている[#同行大見出し]タグと[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]タグに対応していないように見受けられることと、[#地付き]タグの行にあるルビ位置がおかしくなるので、電子書籍ファイルに変換する際には注意してください。

Comments:0
コメントを書く(スパム対策のため海外からは書き込めません)
この情報をcookieに保存する

Home > 「遠野物語」@青空文庫

Page Top